日本のお箸にはいろいろな形があります。日本以外の中国、韓国、台湾、タイなどもお箸を使っていますが、箸先の形にまでこだわっているのは日本人だけです。さて、どんな形の箸先があるのでしょうか。写真のように、先の丸いもの、先の角ばったもの、溝の彫られたもの、中には、五角形、八角形、ねじれたものまでいろいろな種類があります。また、乾漆といって乾漆粉という漆の粉を先につけることによって滑り止めの役割をしているものもあります。
では、どのような箸先が使い易いのかというと、個人差もあるのではっきりとは言えないところもあるのですが、箸先は拭き漆で木の素材が生かされていて、角のある物の方が滑り難いと思います。しかし、塗りの箸先も、つるつるはしていますが、汚れも落ちやすく常に清潔に保てるという利点もあります。
また、日本人ですから、箸先の太さにもこだわりたいですね。割り箸のように箸先が太いものは、食べ物と接する面積が大きいのでつまみやすく感じられるかとは思いますが、日本食には断然、箸先の細いお箸のほうが使いやすいと思います。たとえば、焼き魚の骨をとったり、縁側の美味しい身を取る事もできます。実は、しっかりしたお箸使いができないと先の細いお箸は使いにくいのですが、我々は日本人ですから、ぜひ正しい箸使いをマスターして先の細いお箸をお使いになられるのもとても面白いと思います。